Cafe Millet

2008年5月25日の日曜日、結婚式を行いました。
下鴨神社での神前式の後、
静原のCafe Millet にて友人と兄弟を交えてのパーティー
そして翌日、再び家族だけで、
場所は同じくCafe Milletでの食事会でした。

入籍する前くらいの段階では、
鴨川でバーベキューの結婚式がしたいと思っていました。
川原でバーベキュー、よくやったのです
ともよと出逢った頃、本当によくやりました。二人だけで。
ただ火を囲むこと。
焼いた里芋の美味しさ。焼いた空豆の美味しさ。
冷え込む夕方にあたたかな火と体に染むお酒。
それが原点です。
そこが出発点のような気がする。


そんなことを大勢の友達と共有できる、
そんなパーティーがしたかった。
鴨川でみんないて、そんな風にできたらなと思った。
でもできなかった。
できないということに途中で気がついた。


京都に、友達がいなかった。


東京からわざわざ友達に来てもらうのに、
ゼロから手伝わせることはできない。
でも距離感なしに手伝ってもらえるような友達なくして、
そんな自由な結婚式はできない。
それに気付いてから再び、迷走しました。


お店が必要だ、、、
わたしたちの結婚式を実現してくれる店、、、
披露宴会場じゃない、ホテルじゃない、チャペルじゃない、
普通のお店、場所を貸してくれるところ、
もう大勢は無理だ、小さな食事会にしよう、
鴨川のように自由な空気が、溢れていて、
そして私たちに手を差し伸べてくれるスタッフのいる、
そんなお店が、あれば、、、


検討もつかないまま、
月日ばかりが流れました。
下鴨での挙式の日は決まったのに、
いつまでたってもそんな店は現れませんでした。


そして半年が過ぎて、、、
寒い日でした。
とてもとても寒い日。
凍えるような日。
ヒョウが降るような冷たい雨の日。


バイクでした。
バイクに乗って、二人で、
行ったことのない遠い場所。
静原ってどこだろう。
ここは何だか、気にかかる、
行ってみよう、入籍半年記念の食事会もまだだ、
ゆっくりご飯を食べに行こう。


それで行きました。
凍えそうになりながら、バイクで。





がちがちの体と心が
一瞬間に溶けました。
文字通り、溶ける。


初めて見る「だるまストーブ」。
大きな部屋一杯の、
あたたかな空気。
冬のはじめの、穏やかな光。


信じられなかった、
夢のようだった、
こんな暖かさは、信じられない。




夢のように、幸せな暖かさ。



それだけで充分だった。
出てくる料理が、美味しくないはずがない。
美しくないはずがない。
夢の中のような食事。



「ここで結婚式をさせてもらえませんか?」





そこから、
全部
はじまったんです。



[写真]

はじめてのCafe Milletで
出してもらった料理の一つ、石窯焼の野菜。