葱切る日々

たんたんたん、と葱を切りたくて、
切れなくて。

たかだかそれくらいのことで
涙が出る程落ち込んでるんだから
幸せなやつだよと
自分でも思いますけれど。


でも友世さんに(旦那さんですけど)言われました、
「刃と火が使えない人はダメだ。」


はい、そうですね、そうでした・・・。


そうして稽古をつけてもらいました。
我が旦那さまに。
おおー そうか、
左手の指で、爪先じゃなくて関節のとこで
きちんと押さえることが大事なんだ
包丁をちゃんと研ぐこと、
肩を落として(力を抜く)、
脇の下をあけて(ゆるませる感じ)、
たんたんたん、と
リズムが大事。


それでも職場では怒られます。
「かおりちゃん!まだ葱切ってたの?!」
その場で泣き出したい程凹む三十路前女。(流石に泣きませんてば ご安心を)
ちょっとくらい練習したとて、
短い時間でパッパッと状況判断していかなければいけない
飲食店の厨房内では
思うように包丁を動かせません。
包丁が切れない、
この葱切りにくい、なんていい訳。
切れないなら研ぐ、
切りにくい乾いた箇所があるなら
最初に取り除く。
自分で判断して、ぱっぱと進めなければいけない。


家ではそんなこと考えたこともなく、
下手は下手なりに、とのんびり切ってました。
でも本当、このままでは、ダメなんです。


そういう訳で、
葱切る日々。


今日は少しだけ、前よりは少しだけ早く、
包丁を動かせた気がします。
そしてそれは、とてつもなく楽しく、嬉しい出来事なのでした。



[写真]

夏休みの思い出。
島根県の日御碕にて、グラスボートを飛び降りる見知らぬおっちゃんの図。
すごく、夏っぽいなー 懐かしいなーと思う。